鉾の説明[詳細]
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函谷鉾の構造
現在の函谷鉾は天保十年(一八三九)に再建され、装飾を充実させ、老朽化した部分は順次新調、地上から鉾頭まで約二十四メートル、重量約十二トンあり、巡行時には囃子方最大約七十名、屋根方四~五名、音頭取り二名(辻回し時は四名)が乗る。
鉾は大きく分けて、櫓(胴組)本体、屋根、真木、懸装品に分けられる。
櫓(胴組)本体
胴枠(どうわく) 桧と樫を用い、四メートルほどの四本柱を基本に四面(周)各三本の貫(ぬき)が組み合わされ、その四面と上面に筋交い(すじかい)が組まれる。前後面最下段の貫には真木受けの板が渡される。上面の筋交いは少し長く突き出て真木を支える禿柱(かむろばしら)を受ける、その上に囃子台を支える横木が渡される。胴枠一式は平成十一年(一九九九)から順次新調された。
石持(いしもち)
牛持ともいう。小口二十センチメートル×四十三センチメートルで長さ七メートル。重さは二本で四百七十キログラムあり、小口には奉書が貼られ、ひび割れを避けるため鉄枠が巻かれる。他の鉾では松や欅が使われるが函谷鉾は桜材である。石持を前後の最下段の貫に組み、その下に車軸を組み、鉾の重心を下げる。天保再建時の石持は平成十九年新調の石もちに取替えられた。
車輪(しゃりん)
直径百八十六センチメートルで厚さ十八センチメートルの欅材。車軸は樫で車輪(中央)間は二百三十七センチメートル、車軸(前後)間は四百七十五センチメートル。車橖(しゃどう)という軸の直径は六十七センチメートルで軸から自転車のスポークにあたる輻(や)が二十一本、これをリムとタイヤにあたる七枚の小羽(こば)と大羽(おおば)が受ける。輻、小羽、大羽の数が奇数であるために分解しにくく力学的にも合理的な数である。函谷鉾の場合、辻回しは左方向のみであり、直進中もカマボコ状の道路の左半分を進行するので車輪が片減りするため、車輪を装着する際に位置を付け替えたりしている。
大屋根(おおやね)
朱漆塗り切妻板葺き、北流れ、南流れ合わせて二十四枚。箱棟、破風(はぶ)、獅子口、懸魚(げぎょ)、繁垂木(しげだるき)、軒裏絵、妻板彫刻などの金細工彫刻がなされる。
真木(しんぎ)
芯棒(しんぼう)ともいわれ、上から鉾頭(ほこがしら)、大幡(おおばた)、天王人形(孟嘗君)、関、角幡(かくばた)、榊(中央に金幣)、しゃぐま垂れ、網隠し(あみかくし)などの装飾がなされる。
懸装品(けそうひん)
真木飾り、屋根飾り、虹梁、天井幕、化粧柱、欄縁、天水引、前掛、胴掛、見送、下水引、裾幕などで木組の鉾を豪華絢爛に飾り上げる。
祇園祭について、そして函谷鉾・保存会について、詳しくご紹介しております。「鉾や山を見る」・「巡行を楽しむ」だけでも良いのですが、その歴史、由来、願いなど多くの人々が積み上げてきたことを知って、実際の鉾や山をご覧いただくとより深く楽しんでいただけるのではないでしょうか。
そんな願いを込めてご紹介しておりますので、ぜひじっくり「函谷鉾」を知ってください。