囃子の道具

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祇園囃子は「コンチキチン」の鉦の音色が特徴的であるが、リズムを刻む鉦、メロディーを奏でる笛、テンポを司る太鼓の三楽器で構成される。


鉦は直径二十センチメートル側面六センチメートルの青銅合金製で、銅と錫の割り合いや分厚さの兼ね合いもあり各鉾それぞれに音色が違う。鉦の凹面の底を打つといわゆる「コン」である。凹面の下縁を振り下ろして打ち、そのまま振り上げ凹面の上縁を打って上方へ振り抜き、続いて凹面の下縁を振り下ろして「チキチン」である。鉦を打つバチは「鉦すり」と呼ばれ、柄は長さ約三十三センチメートル、厚さ五ミリメートルの鯨のひげ製であったが、近年、「鯨のひげ」の入手不足から樹脂製の柄を使用している。「鉦すり」の頭は三十三ミリメートル厚さ十七ミリメートルの鹿の角製であるが、固さと大きさの具合から角の根の部分を使用するため、近年はエゾシカの角を使用している。個人持ちであるが七千円~一万円と高価であり、力強く連打することもあって柄の折損、頭の割れなど破損しやすく、二~三本づつ予備を持つのが普通である。










唯一の旋律楽器の笛は七つ穴の能管で二十万円から三十万円のものが多く使われているが個人持ちである。 昭和初期まで笛方は笛専門の奏者が日当を得て囃子に参加していたが第二次大戦前後からは鉦方からの希望者を養成している。





太鼓

太鼓は能や歌舞伎で使われる締太鼓で胴の直径二十六センチメートル、高さ十四センチメートル、皮の直径三十五センチメートルで牛の皮と欅の胴を朱橙に染めた麻紐(調べという)で締め上げる。檜の二本のバチで打ち、函谷鉾では打つ側の皮の中心に皮の保護と音の調整のため直径六センチメートルの鹿皮を貼っている。締め上げるのに力が要り、担当する若手の手のひらにはマメが絶えない。



祇園祭について、そして函谷鉾・保存会について、詳しくご紹介しております。「鉾や山を見る」・「巡行を楽しむ」だけでも良いのですが、その歴史、由来、願いなど多くの人々が積み上げてきたことを知って、実際の鉾や山をご覧いただくとより深く楽しんでいただけるのではないでしょうか。

そんな願いを込めてご紹介しておりますので、ぜひじっくり「函谷鉾」を知ってください。